2022年7月20日 / 最終更新日時 : 2022年7月20日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【雨のにおい】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 最寄り駅の駅前のロータリーに差しかかったとき、男子高校生が四、五人、走ってきたら、そのうちの一人が「雨のにおいがする。急げーっ」と叫んだ。 と、空は急にかき曇ってきて、すぐに雨がぽつぽつと降り始めた。 雨が降ると「雨のに […]
2022年6月14日 / 最終更新日時 : 2022年6月14日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【これどこからの旅ですか】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 この言葉は幸田文さんの『幸田文 旅の手帖』(幸田文著・青木玉編 平凡社)収載の『旅』と題した随筆に出てくる。 「むかし常識として、家庭内で教えられたことでいまもう通用しなくなっているものはたくさんある。何もみな世につれて […]
2022年6月9日 / 最終更新日時 : 2022年6月9日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【ごゆるりと】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 あるメーカーのメディア向けセミナーに出席したおりのこと。セミナーは昼前に終わったが、司会進行を務めていた女性がこういった。 「皆様に当○○ホテルのサンドイッチをご用意しておりますので、お召し上がりください。この会場は一時 […]
2022年5月24日 / 最終更新日時 : 2022年5月24日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【旅のお方(たびのおかた)】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 今から二十六、七年前のこと。大阪、近鉄電車、かつて藤井寺球場があった藤井寺に取材で行ったことがあった。 仕事を済ませるとちょうど昼の時分時、藤井寺駅近くにある、昔ながらの蕎麦屋さんに入った。 温い蕎麦を食べて、女将さんら […]
2022年5月10日 / 最終更新日時 : 2022年5月10日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【鼻の下が暇がない(はなのしたがひまがない)】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 この表現は、『国語慣用句大辞典』(白石大二編 東京堂出版)に収載されている。面白い。「鼻の下がひまがない」は、次のように説明されている。 口が絶えず動いている。食物を時を欠かさず食べる。口がしゃべり通しである。 そして、 […]
2022年4月26日 / 最終更新日時 : 2022年4月26日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【虫のせい】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 森本哲郎著『日本語 裏と表』(新潮文庫)に次のようにある。 日本人の身体のなかには虫が棲んでいるらしい。しかし、どんな虫なのか、だれも見た者はいない。正体不明なのだが、とにかく、身体の一定の場所にじっとひそんでいて、何か […]
2022年4月19日 / 最終更新日時 : 2022年4月19日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【なまじかけるな薄情け(うすなさけ)】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 若い頃、遊び人風の人が近づいてきたので、なんとなく親しくなって、一晩アパートに泊めたところ、半ば居着いてしまい、難儀したことがあった。 別の話。お人好しの友だちに彼女ができた。うらやましので、「いいなあ」といったら、 「 […]
2022年3月8日 / 最終更新日時 : 2022年3月8日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【花も実もある(はなもみもある)】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 花と実は「果実」で、「はなみ」と「かじつ」の二つの読みがある。 「はなみ」は、「花と実」「名と実(じつ)」の二つの意味がある。一方、「かじつ」 は「花と実」の意味の他、歌論用語として、「外観と実質。表現と内容」の意味があ […]
2022年2月8日 / 最終更新日時 : 2022年2月8日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【おすそわけ】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 「おすそわけ」は日本の文化といわれる。他の国には、おすそわけの習慣はないようである。当然だろうが、英語に該当する言葉はない。 おすそわけ(御裾分け)は、「すそわけ(裾分け)」の丁寧語で、多くは「おすそわけ」の形で用いる。 […]
2022年1月5日 / 最終更新日時 : 2022年1月5日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【命あっての物種(いのちあってのものだね)】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 秦恒平さんの『からだ言葉の本 付“からだ言葉”拾彙』(筑摩書房)から引用させていただく。 日本人はおよそ、(一)現状本位、(二)世間本位、(三)情趣本位にものを考え、選び、行動する傾向を素質的に持ち合わせている気がする。 […]
2021年12月27日 / 最終更新日時 : 2021年12月27日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【切ない(せつない)】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 「切ない」は、日本人の感情を非常によく表す言葉の一つだと思う。 「切ない」は、『大辞泉』には次のような意味がある。 一、悲しさや恋しさで、胸がしめつけられる ようである。やりきれない。やるせない。「切ない思い」 二、から […]
2021年12月23日 / 最終更新日時 : 2021年12月23日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【腹を割る(はらをわる)】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 「腹を割る」は極めて日本的な言葉で、あえて意味を述べるまでもないだろうが、「本心を打ち明ける。隠さずに心の中をさらけ出す」こと。普通、「腹を割って話す」というかたちで用いられる。 池波正太郎さんの人気時代小説「仕掛け人藤 […]
2021年12月17日 / 最終更新日時 : 2021年12月17日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【内股膏薬(うちまたこうやく うちまたごうやく)】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 武田泰淳の『鶴のドンキホーテ』(『士魂商才〈岩波現代文庫〉』収載)という小説に次のような会話がある。 「Nさんが偉いことは、こりゃ何て言ったって否定できない。しかし天草乙女が偉いということも、今度こっちへ来て、はじめてわ […]
2021年12月9日 / 最終更新日時 : 2021年12月17日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【感謝感激雨霰(かんしゃかんげきあめあられ)】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 たいへん感謝し、感激していることを戯(ざ)れていった言葉である。今ではほとんど耳にすることはないが、昭和四十年頃までは若い世代の男性も使っていたと記憶している。 「感謝感激雨霰(かんしゃかんげきあめあられ)」は、日露戦争 […]
2021年12月1日 / 最終更新日時 : 2021年12月1日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【よんどころない事情がありまして】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 誘いを断る言葉の切り札とも言ってよいのが、「よんどころない事情」である。 「よんどころ」は「拠んどころ」と書く。「よんどころない」は、「そうするより仕方がない。やむを得ない」という意味である。多くの場合、「よんどころない […]
2021年11月26日 / 最終更新日時 : 2021年12月17日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【五臓六腑(ごぞうろっぷ)にしみわたる】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 五臓六腑とは、もとは中医学の臓腑用語で、五臓と六腑のこと。五臓は肺臓・心臓・肝臓・脾臓・腎臓で、六腑は大腸・小腸・胃・胆・膀胱・三焦。それから派生して、心の中、身体の内部、からだじゅうを指しても言う。 この五臓六腑を使っ […]
2021年11月24日 / 最終更新日時 : 2021年12月17日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【涙雨(なみだあめ)】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 六三歳目前で病気のために死亡した母の葬儀の朝、小雨が降り始めていた。親戚のおばさんの家に挨拶に行き、玄関先でものを言ったところ、おばさんが、半分開けた引き戸から外を見やりつつ、 「お母ちゃんの涙雨やねえ」と一言、つぶやい […]
2021年11月19日 / 最終更新日時 : 2021年11月19日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【知らないうちが花】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 小学校高学年の頃のこと。冬の土曜の午後、四畳半の居間でうたた寝していると、母親と親戚の女の人がしきりと何か話している。 聞くともなしに聞いていると、一人の親戚のおばさんが、 「知らないうちが花だからね」と言うと、もう一人 […]
2021年11月17日 / 最終更新日時 : 2021年12月17日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【世も末(よもすえ)】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 テレビで十代とおぼしき可愛い男の子が踊りながら歌っている。 ♪君たち女の子 僕たち男の子 へいへいへい へいへいへい おいで遊ぼう 僕らの世界へ走っていこう 一緒に見ていた年上の男性が、誰に言うともなく、こうつぶやいたの […]
2021年11月10日 / 最終更新日時 : 2021年12月17日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【甘露、甘露(かんろ、かんろ)】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 甘露は、『新潮現代国語辞典』(新潮社)には次のように説明されている。 1、〈中国・インドの伝説から〉天が与える甘美な霊薬。醍醐味。 2、非常に美味なもの。 3、煎茶の上質なもの 甘露水、甘露煮の見出しも立っている。 『大 […]