2022年5月26日 / 最終更新日時 : 2022年5月26日 higashiadmin 東 雑記帳 東 雑記帳 - 口輪を付けられていた、狂犬病の犬 小学四年のとき、ある日の午後三時頃、町の中心部へ行く近道を一学年上の姉と歩いていた。お使いか何かだったのだろうか。ゆるやかな坂を上りきろうとしたあたり、左右は住宅が続いている。道幅は四、五メートルだろうか。 と、進行方向 […]
2022年5月24日 / 最終更新日時 : 2022年5月24日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【旅のお方(たびのおかた)】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 今から二十六、七年前のこと。大阪、近鉄電車、かつて藤井寺球場があった藤井寺に取材で行ったことがあった。 仕事を済ませるとちょうど昼の時分時、藤井寺駅近くにある、昔ながらの蕎麦屋さんに入った。 温い蕎麦を食べて、女将さんら […]
2022年5月19日 / 最終更新日時 : 2022年5月19日 higashiadmin 東 雑記帳 東 雑記帳 - おお、おれかい? ほら、電気屋だよ、電気屋! 朝九時半、JR新宿駅南口の改札を出て、京王新線に乗り換えるために急いでいた。京王新線のホームは地下四階にある。下りのエスカレーターに乗ろうとして、ステップの手前2、3メートルのところまで来た時、上りのエスカレーターを上っ […]
2022年5月17日 / 最終更新日時 : 2022年5月17日 higashiadmin 東 雑記帳 東 雑記帳 - 回虫が出たぞ! 検便があったのは、いつ頃までだっただろうか。 小学生の頃は、マッチ箱に便を入れて学校に持って行った。クラスの中には、マッチ箱に便を詰め込み過ぎ、 先生に「こんなにいっぱいいらないのに」と言われる男子もいた。 団塊の世代、 […]
2022年5月12日 / 最終更新日時 : 2022年5月12日 higashiadmin 東 雑記帳 東 雑記帳 - 角帽、学生服姿の押し売りがやってきた まだ、押し売りが普通に見られた時代。昭和三十三年(一九五八)、小学三年のときのことである。 平日の午後、学校から帰ってすぐだった。 若い男が家の引き戸を開けて入ってきたと思うや、上がりがまちにスーツケースのような鞄を広げ […]
2022年5月10日 / 最終更新日時 : 2022年5月10日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【鼻の下が暇がない(はなのしたがひまがない)】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 この表現は、『国語慣用句大辞典』(白石大二編 東京堂出版)に収載されている。面白い。「鼻の下がひまがない」は、次のように説明されている。 口が絶えず動いている。食物を時を欠かさず食べる。口がしゃべり通しである。 そして、 […]
2022年4月28日 / 最終更新日時 : 2022年4月28日 higashiadmin 東 雑記帳 東 雑記帳 - 名前のいわれ 小学三年のとき、ある日の授業。担任の女性教師がこういう宿題を出した。 「自分の名前について、どういう理由や考えでその名をつけたか、親に聞いてきなさい」 命名のいわれを教えてもらうように、というのである。 帰宅後、すぐに母 […]
2022年4月26日 / 最終更新日時 : 2022年4月26日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【虫のせい】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 森本哲郎著『日本語 裏と表』(新潮文庫)に次のようにある。 日本人の身体のなかには虫が棲んでいるらしい。しかし、どんな虫なのか、だれも見た者はいない。正体不明なのだが、とにかく、身体の一定の場所にじっとひそんでいて、何か […]
2022年4月21日 / 最終更新日時 : 2022年4月21日 higashiadmin 東 雑記帳 東 雑記帳 - エナジー・ドリンクは砂糖湯 小学二年の冬のある朝。いつもより早く目が覚めたが、体中から力が脱けている。頭もボーッするのを通り越しており、動こうとしたらふらふらした。 それでも起き上がって、すでに起きて台所仕事をしている母の近くへ這っていくようにして […]
2022年4月19日 / 最終更新日時 : 2022年4月19日 higashiadmin 情緒あふれる言葉 【なまじかけるな薄情け(うすなさけ)】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉 若い頃、遊び人風の人が近づいてきたので、なんとなく親しくなって、一晩アパートに泊めたところ、半ば居着いてしまい、難儀したことがあった。 別の話。お人好しの友だちに彼女ができた。うらやましので、「いいなあ」といったら、 「 […]
2022年4月14日 / 最終更新日時 : 2022年4月14日 higashiadmin 東 雑記帳 東 雑記帳 - 耳元でささやく声 「カンニングしたね」 小学六年の頃。普段のテストでカンニングをするようになっていた。四年頃まではクラスで一、二番だった成績が、だんだんと下がっていっていた。いい点数をとらないといけない。気持ちが追い詰められていた。 先生の「終わり」というかけ […]
2022年4月12日 / 最終更新日時 : 2022年4月12日 higashiadmin 東 雑記帳 東 雑記帳 - 南方マラリア、夏に震える父 五歳のときの夏八月。離れて暮らす父がお盆に帰省してきていたときのこと。 午後の早い時間だったか、父が毛布にくるまって震えているのを見た。熱が出ているようだった。 いったい、どうしたんだろう。異様な光景である。 近くに祖母 […]
2022年4月7日 / 最終更新日時 : 2022年4月7日 higashiadmin 東 雑記帳 東 雑記帳 - ハト麦の煎じ汁でイボが消えた! 中学二年の頃、左手に大きなイボができていた。 親指と人差し指に一つずつ、目立つので、バスに乗ったとき左手では手すりをつかまないようにした。 思春期に入っており、とても嫌だった。 当時、イボは男子生徒の間ではけっこう流行っ […]
2022年4月5日 / 最終更新日時 : 2022年4月5日 higashiadmin 東 雑記帳 東 雑記帳 - 葉緑素入りキャラメル 昭和二十九年五歳の春、桜の季節。 祖父が急に「ぼく、荒神様に花見に行こう」と言い出した。 荒神様は、家から東へ歩いて五、六分、集落がはずれたところにあった。 国道沿いの際、道路の山側に荒神様を祀っている小さな祠がある。そ […]
2022年4月1日 / 最終更新日時 : 2022年4月1日 higashiadmin 東 雑記帳 東 雑記帳 - 大関経験者、だって!? 大相撲令和四年三月場所、大阪で観客を入れて行われるのは三年ぶりということもあって活況を呈した。賜杯争いは千秋楽に関脇の若隆景と元大関で前頭七枚目高安の決定戦にもつれ込み、若隆景が逆転勝ちをして初の栄誉に輝いた。高安は、ま […]
2022年3月31日 / 最終更新日時 : 2022年3月31日 higashiadmin 東 雑記帳 東 雑記帳 - 泣く泣く かぐや姫 雑記帳,雑記,コラム,column,かぐや姫,河井坊茶,ラジオ,歌,吟遊詩人,泣く泣く かぐや姫,愛川欽也,クレハホームソング,大阪朝日放送
2022年3月29日 / 最終更新日時 : 2022年3月29日 higashiadmin 東 雑記帳 東 雑記帳 - 踊る宗教 小一の六歳のとき、母に連れられて渡船に乗って本州に渡り、大畠からバスに乗って、柳井方面へ。柳井の街中の狭い道をバスが通っていると、卵を買い取りに来る業者の男の人が通りを歩いているのが見えた。 「あれ、下条さんだ」と母。確 […]
2022年3月24日 / 最終更新日時 : 2022年3月24日 higashiadmin 東 雑記帳 東 雑記帳 - 小百合も歌、うたうの? 昭和三十七年(一九六二)、六月。 「吉永さゆりも、歌、うたうんだって?」 「うん、レコード吹き込んだらしいよ」 こういう会話が学校や家庭でなされ、この話題でにぎわった。 学校では授業の合間、みーはーの芸能通男が、「おまえ […]
2022年3月22日 / 最終更新日時 : 2022年3月22日 higashiadmin 東 雑記帳 東 雑記帳 - ラスト寝小便・イン周防大島 おねしょともいうが、この言葉、使うのがなんだか恥ずかしい。やはり、寝小便だろう。読み方も、「ねしょうべん」より、「ねしょんべん」が似つかわしいのではないか。だが、「しょんべん」では乱暴すぎるし、下品と思われるだろう。 子 […]
2022年3月17日 / 最終更新日時 : 2022年3月17日 higashiadmin 東 雑記帳 東 雑記帳 - 縞柄が入試問題を運んできた 高校は二十分くらい歩いて上った丘の上にあった。北九州の私立高校だった。 校舎や事務所の建物がある正面は、あまり広くはないが広場になっていていた。 昭和四十一年(一九六六)、高二の二月のある日の放課後のこと。広場がなにやら […]