東 雑記帳 - Inoki is Sugar とアブドーラ・ザ・ブッチャーは言った

東 雑記帳 - Inoki is Sugar とアブドーラ・ザ・ブッチャーは言った

札幌県立中島体育センター1階のうどん屋。アブドーラ・ザ・ブッチャーがうどんを食べていた。蕎麦もある店かもしれなかったが、記憶は定かではない。ブッチャーが食べていたうどんの具は何だったか、見なかったのか、これも覚えていない。
ブッチャーがこう言った。

Inoki is Sugar

Sugar は糖尿病のことだろうと、すぐわかった。

アントニオ猪木が糖尿病であることを知っていたからだ。彼はそのことを隠していなかった。
ブッチャーはなぜ、わざわざ猪木が糖尿病であることを口にしたのか。
自分は超肥満体だが糖は出ていない、と言いたいのかもしれない、と思った。
それにしても、糖尿病をsugar というとは、なんと簡単な表現だろうと、感心した。これはスラングなのか、辞書にも載っていなかった、

その1年後、知り合いの整体関係の人が国内便の飛行機で猪木さんと隣り合わせた。
彼は猪木さんに向かって、こう言った。
「猪木さん、あなたはあまり食べないでしょう」
すると、「そうですが、どうしてわかりますか」と問い返してきたので、
「あなたの(リングの上での)身体の動きを見ていたらわかりますよ」
と答えたら、猪木さんは、ふんふんと頷いていたという。

血糖値対策のために食事の量を減らしていたのか。
余談であるがその後、おしっこを飲む尿療法が流行したとき、猪木さんはさっそく飲みはじめ、健康雑誌等のさまざまなメディアで登場した。
(敬称略)

 

文:東/茂由 ライター
1949年、山口県生まれ。早稲田大学教育学部卒。現代医学から東洋医学まで幅広い知識と情報力で医療の諸相を追求し、医療・健康誌、ビジネス誌などで精力的に取材・執筆。心と体、ライフスタイルや環境を含めて、健康と生き方をトータルバランスで多面的に捉えるその視点に注目が集まる。