健康本を読んでみた! ~ 【シワ・たるみ・くすみが消える 美顔呼吸 著者 今井一彰 河出書房新社】長年健康系ライターとして活動してきた東/茂由が紹介する書籍。口呼吸が「キレイ」を損ねている。キレイや若さを取り戻す「美顔呼吸」のススメ

健康本を読んでみた! ~ 【シワ・たるみ・くすみが消える 美顔呼吸 著者 今井一彰 河出書房新社】長年健康系ライターとして活動してきた東/茂由が紹介する書籍。口呼吸が「キレイ」を損ねている。キレイや若さを取り戻す「美顔呼吸」のススメ

健康本を読んでみた!

口呼吸が「キレイ」を損ねている。キレイや若さを取り戻す「美顔呼吸」のススメ

シワ・たるみ・くすみが消える 美顔呼吸
著者 今井一彰 河出書房新社

口呼吸の習慣が特有の顔貌をつくる

テレビを見ていて、女性タレントの満面の笑みがアップで映し出されると、否応なく口元に目が行くが、歯茎が丸見えのことがある。同じことは、スポーツ選手の笑顔の勝利者インタビューでも見られる。
スポーツ選手の場合、ひどい出っ歯の人もいるし、多くの選手が出っ歯気味ではないかと思える競技もある。
半開き気味の下唇が下方、外に飛び出している人もいる。

本書の著者によると、これらは口呼吸が影響しているという。口呼吸の習慣が、特有の顔貌をつくるのだ。

口呼吸の癖を直すと、病気が改善し、同時にどんどんキレイになってくる

本書『シワ・たるみ・くすみが消える 美顔呼吸』は、「あいうべ体操」で知られる今井一彰・みらいクリニック院長による、「美」「キレイ」「若さ」のための口呼吸改善の本である。今井医師は、口呼吸と健康の関係の本は何冊も出版しているが、「美」「キレイ」「若さ」にテーマを絞った本は今回が初めて。

本来の鼻ではなく、口で呼吸する「口呼吸」は、アレルギーや自己免疫疾患など、じつに多くの病気発症に関係する。口呼吸の癖がある人は多い。今井医師は、その口呼吸の癖を直し、本来の鼻呼吸に戻す方法として「あいうべ体操」を考案した。
「あー」「いー」「うー」と口を大きく開き、「べー」と舌思いっ切り突き出す。あいうべ体操を実践すると、アトピー性皮膚炎、花粉症、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎などが改善してくる。あいうべ体操を患者に指導するようになった当初、その効果に今井院長は目を見張ったが、同時に、ある事実に気がついたという。

それは、症状や病気が治るにつれ、その過程で、女性の患者たちがどんどんキレイになってきたことだった。

鼻呼吸と口呼吸では顔貌に大きな違いがある

鼻呼吸と口呼吸では、顔貌に大きな違いがある。
たるんだまぶた、垂れた頬、梅干しのようなシワのあるアゴのふくらみ、乱れた歯並び、ガミースマイル、アデノイド顔貌、出っ歯の場合もある。これらは口呼吸の典型的な特徴であるという。ちなみに、ガミースマイルとは、笑うと歯茎が出て目立つことをいう。

中年以降、頬が垂れ下がり、アゴに大きな梅干しのようなふくらみができている女性はめずらしくないが、要因として口呼吸が強く影響している。
それに対して、本来の呼吸をしている鼻呼吸顔は、まぶたはスッキリしている。頬も引き締まっていて、フェースラインもスッキリしている。口角は上がり、アゴに梅干しのようなふくらみはない。

口呼吸の原因は舌の筋力の衰えにある

口呼吸の原因は「舌の筋力の衰え」にあり「舌が低下する」ためだという。口を閉じたとき、普通、舌は上顎に付くが、舌の筋力が弱っていると舌は下がる(低位舌)。それが
鍛えることで、舌は上がるし、それに伴い口呼吸は改善してくるという。
そのための方法として、「あいうべ体操」をはじめ、さまざまな方法を紹介している。
前述のように、口呼吸改善の「あいうべ体操」はさまざまな病気に効果がある。

今井医師によると、無意識に口をポカンと開ける癖がある人だけでなく、食べるときに口を閉じない人も口呼吸の傾向がある。また、アナウンサーやタレントなど話すことが職業の人、スポーツ選手も口呼吸が癖になるリスクをはらんでいるという。

見た目が若い人は、カラダも若い

このタイトルの1項目があるが、アンチエイジングの世界では、「見た目が若い人は全身も若いし、見た目が老けている人は、全身も老けている」と、学会レベルで考えられている。
若い人もそうでない人も、健康と若さ、キレイのために、口呼吸に目を向けたい。あいうべ体操はインフルエンザの予防にすぐれた効果があることが確認されている。新型コロナウイルス対策にもよいと思う。

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シワ・たるみ・くすみが消える 美顔呼吸
著者 みらいクリニック院長 今井一彰
2019年9月5日 初版発行

単行本 46 184ページ
出版社:河出書房新社
ISBN:978-4-309-28745-4
Cコード:0077

著者:今井 一彰 (イマイ カズアキ)
山口大学医学部卒。みらいクリニック院長、内科医。東洋医学会漢方専門医。「痛みと姿勢の外来」としてこれまで1万人以上の足指を診察。また、鼻呼吸で健康をとりもどす「あいうべ体操」の提唱者としても有名。

構成
はじめに
1 あなたのその呼吸が顔を老けさせています
2 何てことない「クセ」が口呼吸を呼び込む
3 出っ歯、歯ぐき丸見え…悩ましい顔つきの原因は?
4 キレイ顔にもどすには、まず舌の力をアップ!
5 いつでも、すぐ始められる簡単!ドクター・エクサ
6 鼻呼吸が身につくと小顔美人になれます
7 美しい健康なカラダは鼻呼吸から始まる

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紹介文:東/茂由 ライター
1949年、山口県生まれ。早稲田大学教育学部卒。現代医学から東洋医学まで幅広い知識と情報力で医療の諸相を追求し、医療・健康誌、ビジネス誌などで精力的に取材・執筆。心と体、ライフスタイルや環境を含めて、健康と生き方をトータルバランスで多面的に捉えるその視点に注目が集まる。