【ご機嫌いかがですか】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉

【ご機嫌いかがですか】- 現代に使いたい日本人の感情、情緒あふれる言葉

昭和の歌謡曲に、三橋美智也の『ご機嫌さんよ達者かね』というヒット曲があった。この歌の詩は母親からの手紙の文言と、それに対する息子の気持ちで構成されている。冒頭が、「ご機嫌さんよ 達者かね」の母のあいさつで始まり、「おれらも父さも 変わりなく 朝も早よから 畑仕事」と続く。

機嫌は人の気分、気持ちで、「御機嫌さんよ」は、「ご機嫌いかがですか」あるいは「ご機嫌よいことでしょう」の意味である。
かつては「ご機嫌よう」という言葉もあいさつ語として使われていた。『あいさつ語辞典』(奥山益朗、東京堂出版)には、「人と久しぶりに会ったとき、人と別れるときのほか、相手の健康を祝し、また祈るあいさつ語」と説明されている。

かつて、仕事の関係で知り合ったはるかに年上の人がいたが、その人が電話をかけてきたときの第一声が、「ご機嫌よう」で、いきなりこう言われると気恥ずかしさを覚えた。
十年ぐらい前、あるコントのグループが一時、「ごきげんちゃーん」というギャグで一時人気を博したことがあった。このように戯画化しないと、口にするのは照れくさいが、それでもこのギャグは広まらなかった。

「ご機嫌うかがい」ということばもあるが、これは現代でも使えるだろう。
たとえば、旧知の友人、知人に対して、これといった用もないが、どうしているだろうかと気になったり、声を聞きたいと思ったりして久しぶりに電話するとき。相手が「どうしたの?」と聞いてくることがあるが、
こういう場合、「ご機嫌うかがいですよ。お変わりありませんか」とか、「ご機嫌うかがいで電話しました」と答える。こういう使い方なら現代でもできるだろう。

 

文:東/茂由 ライター
1949年、山口県生まれ。早稲田大学教育学部卒。現代医学から東洋医学まで幅広い知識と情報力で医療の諸相を追求し、医療・健康誌、ビジネス誌などで精力的に取材・執筆。心と体、ライフスタイルや環境を含めて、健康と生き方をトータルバランスで多面的に捉えるその視点に注目が集まる。